点と点が線になるということ。

バルセロナオリンピックが開催されたのは、小学4年生の時だった。その年の自由研究か何かで、オリンピックについてまとめるような課題があって、当時好きだったけろっぴに、勝手にアーチェリーの弓を持たせて、聖火台に火を灯すようなイラストを表紙に描いたのをすごい覚えてる(当時は学校の工作とかでモチーフを自由に選べる時は、だいたいけろっぴにしていた。好きだったので。あと図工が死ぬほど得意だった)。

 

ちょうどその頃、テレビでスーパーマリオクラブという番組がやっていて、当時発売されたばかりの「マリオペイント」というお絵描きソフトを使って描いた絵を、視聴者から募集してグランプリを決めるみたいな企画をやっていた。その時、その作品の中に、見たことないような建築物の絵があって、その周りを天使が飛んでいるような簡単なアニメーションが施されていた。それが、自分が初めて見たサグラダ・ファミリアだった。30年経った今も覚えてるぐらいだから、めちゃくちゃ強烈な体験だったんだと思う。さすがにインターネットで検索しても出てこないだろうと思ったけど、とりあえず検索してみたら、動画がYouTubeにそのままアップされていた。目ん玉が飛び出るかと思った。インターネットは本当にやばい。

 

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youtu.be

 

これが、自分のサグラダ・ファミリアの最初の記憶。それ以来、なんとなくサグラダ・ファミリアとガウディにずっと興味がある人生だった。


そんな原体験から30年後、国立近代美術館に『ガウディとサグラダ・ファミリア展』を見に行った。放物線の形状を鏡を使って再現した模型がめちゃくちゃよかったり、「人間は想像しない、あるのは発見だけである」というガウディの言葉が紹介されてたりしていて、とても良い展示だった。あとガウディが自分の作品をポストカードにして送っていたみたいな話があって、ガウディほどの天才でもやはり自分で自分自身をプロモーションしていたのだなというのがわかってすごいよかった。これは本当にアイドルも同じで、今いちばんそこまで考えて行動できてるのがたまあんだと思う(偶然同じ日にチックの現場があったのでより強く感じた)。


そんな中でも、自分の中でいちばん知的興奮を感じたのが、ガウディの作品に岡本太郎との類似性を感じ取ったことだった。この展示に行くちょうど3週間前、川崎市岡本太郎美術館岡本太郎の作品を見に行った。サグラダ・ファミリアの塔のひとつが、どう見ても太陽の塔に見えたのだけど、きっとこれは、直前に岡本太郎の作品を見ていたから、そう見えたんだと思う。家に帰ってきて調べたら、岡本太郎も実際にバルセロナに行っていて、ガウディの作品に感銘を受けたということだった。椅子を作っているとか、自然をモチーフにしているとか、古代文明東洋文化に影響を受けているとか、鳥が好きとか、共通点もたくさんあった。

 

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(この本に岡本太郎のコメントが載ってるらしくて読みたい)

 

ガウディの展示も、岡本太郎美術館も、それ単体では点でしかないし、当然その2つが繋がると思って見に行ったわけではなかった。でも、それを偶然、連続で見て、繋がって、点と点が線になった。そうやって、繋がるとは思ってなかったような点が繋がって、共通点や類似性を見出して、線をつくっていくことが、勉強するっていうことなんだなというのをすごく感じた。

 

ここ何年かは、自分の座右の銘にいちばん近い言葉は、スティーブ・ジョブズの『Connecting the dots』なのかなと思っていて、前に答えた質問でもそれを書いた。

 

seventeen.hatenadiary.org


これもまさに、そのままだけど、点と点が繋がること、点と点を繋げることの大切さを言葉にしたものでで、改めて自分の好きな言葉だなと思ったし、人生は本当にこれだなと思った。


自分にとってはアイドルも全く同じで、アイドルになる前はどんな女の子で、何が好きで、どんな気持ちでアイドルになって、アイドルになって何を経験して、どんな感情になって、どういうパフォーマンスをするのか、というひとつひとつの点をひたすら繋いでい線にしていく、みたいなことにずっと興味がある。誰かのドキュメンタリーを自分でつくっている感覚。そしてそんな楽しみ方が許されるのは、ゆらねちゃんと十六夜ポラリスのみんなが自分があれこれ聞いてもちゃんと答えてくれるからなので、本当に感謝しかないし、自分が楽しくオタクできてるのはみんなのおかげだと思う。


これからもアイドルを見たり、本を読んだり、映画やドラマを見たり、アートに触れたり、美術館行ったり寺社仏閣行ったりして、どんどん点を増やして、その点を線で繋いでいくような人生にしたい。